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VQ(Volatility Quality)

Volatility Qualityはトレンド系の指標です。一時期高い人気を誇っていましたが、いつの間にか廃れてしまいました。

Volatility Quality という名前からボラティリティーを計算しているイメージがありますが、その実体は平均足です。なので VQ = 平均足 と言っても過言ではありません。





上図では日足のチャートにデフォルトのVQを表示しています。トレンド別に色分けされています。





次にVQと平均足を表示した画像です。それぞれのインジケーターを比較すると、同じようなタイミングでトレンドが変化しているのが分かります。

これは平均足とVQが 4本値の平均値を元に作成されているためです。その後の計算が異なるので最終的に示す値は微妙に違ってきますが、それ以外はほぼ同じです。

VQは平均足と同様、トレンドの安定性と連続性を重視しているので、スキャルピングよりもじっくりとしたトレード向けの指標です。




VQの計算式

VQを求めるには変化率と変動量を求めます。


Open_n ~ Close_n ・・・ 4本値それぞれのn日移動平均値
Close_n(k) ・・・ k日前の「終値のn日移動平均値」
TR ・・・ True Lengh(真の値幅)


上式の通り 2種の変化率の平均値を取ります。一方はTR、他方は高値・安値の平均差を基準としています。




2種の変動量の平均値を取り、先程求めた変化率を掛けます。


2式のポイントは2種の変化率・変動量を平均して評価する点です。「Close_n - Close_n(k)」の部分はMACDのような異なる2期間の差を比較するよりも遅延が生まれにくく、トレンドの判定の切り替えも柔軟です。

レンジ域では「Close_n - Open_n」と共に互いがブレーキの役割を果たす為に全体の評価値は小さく纏まり、VQは平坦になります。この効果はSmoothingを用いる事で得られ、トレンド域とレンジ域にメリハリを付けられます。


VQ'_y ・・・ 前日のVQ'(最初は前日終値)

VQは最も古い終値が基準です。サンプル数や描画数が変化すると表示される値も変化しますが、個々の相対的な値は不変です。


VQのパラメータ設定

VQのパラメータで注目されるのは「length」、「Method」、「Smoothing」、「Filter」の4つだと思います。パラメータの意味は

「lengh」 ・・・ VQの設定期間。影響が最も大きい。
「Method」 ・・・ 平均線の線種。LWMA以外でのメリットはあまりないので、ほぼ固定。
「Smoothing」 ・・・ トレンド域の平滑化。レンジ域とのおおまかな区分け。
「Filter」 ・・・ レンジ域中心の平坦化。

位のイメージで良いと思います。


TimeFrame
VQの時間軸を設定します。全ての時間足は「分単位」で設定しますが、MTF表示で使用しない場合は「0」のままで良いです。

5分足 = 5     15分足 = 15     30分足 = 30     1時間足 = 60

4時間足 = 240     日足 = 1440     週足 = 10080     月足 = 43200




Length
VQの計算期間を設定します。VQの平滑化は基本的に「Length」→「Smoothing」→「Filter」の順番で行うのが無難です。上手くいかない場合は「Smoothing」→「Filter」→「Lengh」でも良いと思います。




Method
使用する移動平均線の種類です。0 ~ 3の数字で設定します。デフォルトでは「3」に設定されています。特に弄る必要は無いと思います。

0 = SMA(単純移動平均線)
1 = EMA(指数平滑移動平均線)
2 = SMMA(平滑移動平均線)
3 = LWMA(加重移動平均線)

デフォルト設定のLWMAが反応速度もあり、安定しています。EMAはLWMAと同等の波形になります。SMMAは安定度が最も高い反面、反応は遅れます。SMAは最もノイズが多く反応も遅いのでお勧めしません。




Smoothing
VQを平滑化する為の期間を設定します。先述した計算式内の「k」の部分に該当します。

Smoothingでトレンド域、レンジ域の微調整し、全体を整えます。Lengthが大きくなるにつれ効果は薄れますので軽めの補正で十分だと思います。




Filter
Filterの適用幅を設定します。Filterはカギ足と同様で、一定幅以下の動きをノイズと見なして除去しますので、VQ値は前日の値のままになります。

トレンドが変化する領域(VQの変化が乏しい平坦な部分)に強く影響するので、レンジ域が平坦化されます。この平坦化した範囲でのトレードを回避する事でレンジ相場を回避できます。





上図では価格のレンジ域に合わせてVQを平坦化させています。分かりやすく平坦な部分は銀色に色分けしています。この部分を相場の停滞域とする事で余計なトレードを減らす事が出来ます。

VQの単位は値幅と変らないので、設定は時間足毎にする必要があります。雑な設定が気になる場合はint型をdoube型に変えると良いです。





「Smoothing」と「Filter」を上手く使い分けると下図のようになります。
一番上のVQはSmoothing無しのVQ、それを停滞域とトレンド別に色分けしたものが2段目になります。SmoothingやFilterを用いないとトレンドは断点化し、レンジ域との境界も曖昧ですが、適度に処理をすると3段目のようにバランスよく表示する事が出来ます。

とは言うものの、1本のVQで綺麗な波形を描画させる事は不可能です。パラメータを弄繰り回すよりもVQを複数用いてフィルタリングしたほうが効果は大きいと思います。




RealTime
アラートを作動させるタイミングを設定します。矢印自体は動かないようです。




Steady
計算に用いている4本値のうち、終値をMedianに変更するかどうかを設定します。Medianは高値と安値の平均です。




Color
VQラインをトレンド別に色分けするかどうかを設定します。




Alerts
アラートを使用するかどうかを設定します。使用しないと矢印は表示されないようです。




EmailON
メールの送信機能を用いるかどうかを設定します。




SignalPrice
トレンドが切り替わった際に、チャート上に価格ラベルを表示します。




SignalPriceBUY / SignalPriceSELL
矢印の色を設定します。




CountBars
VQを描画する本数を設定します。長さによってVQの値は変化しますが、基準値が変化しているだけなので問題ありません。




VQのトレード方法

VQトレード方法に基本形はありませんので、無難なものを一例として紹介します。
上図には15分足のチャートに短期・長期VQとT3-移動平均線を表示しています。3つのトレンドの方向が一致したら売買します。時間足は15分足以上が良いです。

移動平均線はT3-MAでなくても構いません。短期VQはメインシグナルとして用いるのでパラメータはデフォルトでよいと思います。短期VQをフィルタリングする長期VQやその他のインジケーターの設定を重視します。

長期トレンドを測る為に日足・週足のチャートも用います。ここには短期VQとMAを表示し、このトレンドに従ってトレードします。徹底的な押し目買い(売り)をしたい場合、VQの線種はSMMAを用います(この場合Filterは邪魔なので使用しません)。

損切りにはATRやMAを用います。トレーリングストップは色々と工夫してみて下さい。

廃れてしまったインジケーターなのですが、自由度が高くカスタマイズもしやすいので無料で配布されているものとしてはパフォーマンスが高い指標だと思います。





インジケーターのダウンロードは以下のリンクから行えます。

VQ.mq4





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