T3移動平均線(Tillson Moving Average)は、EMAを元に開発された移動平均線です。特殊な平滑化を繰り返すことにより、滑らかな曲線を描きます。
チャートには10日に設定したEMA(指数平滑移動平均線)と、T3-MAを表示しています。EMAよりもT3-MAの方が価格の追従度が高く、ダマシの少ない曲線を描いています。
T3移動平均線は、元となるEMAを3回DEMA化して得られます。計算式は以下のようになります。
P = EMA(Period) Pは期間 PeriodのEMA
G_DEMA1 = P*(factor+1) - EMA(P)*factor
G_DEMA2 = G_DEMA1*(factor+1) - EMA(G_DEMA1)*factor
T3 = G_DEMA2*(factor+1) - EMA(G_DEMA2)*factor
factorは価格に対する追従度を上げる変数で、EMA(P)はPの指数平滑平均を表しています。G_DEMA2とT3の計算式は、G_DEMA1の繰り返しです。
一見すると複雑に見えますが、変数を掛けた2種の平均線の差です。短期MAと長期MAの差を短期MAに加えている計算になります。加えた値の分だけ価格に近づくので、追従度が上がります。
次に、T3-MA、HMA、EMAの比較です。HMAとT3-MAは曲線の滑らかさは同程度ですが、HMAの方が更に追従度が高くなっています。T-3MAはEMAとHMAの中間にあるバランスの取れた移動平均線と言えます。
シグナルとして用いたい場合は、反応が早くキレイな周期を描くHMAやT3-MAを短期で利用するのが良さそうです。
T3-MAのパラメータ設定
T3-Period
T3移動平均線の計算期間を設定します。
factor
T3の価格に対する追従度の強さを変える変数を設定します。変数は 0 ~ 1の間で変更します。
factorを 0にすると、元のEMAを繰り返し平滑化したラインが描かれます。factorを1にすると、DEMAによる平滑化を繰り返したラインが描かれます。
デフォルトでは 0.618にしてありますが、0.7でも用いられます。それ以外の数値でも問題ありません。
Shift
T3移動平均線を左右にシフトさせます。
インジケーターのダウンロードは以下のリンクから