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MA 移動平均線

移動平均線とは、一定期間のレートの平均値を取り、その平均値同士を線で結んだものです。この際に用いられる値は終値が一般的です。

例えば、7日移動平均線なら7日間の終値の平均値を取り、それらを線で結ぶのです。これを新しいローソク足が出るごとに繰り返していきます。

移動平均線には基本となるSMA(単純移動平均線)の他に、EMA(指数平滑移動平均線)、SMMA(指数移動平均線)、LWMA(加重移動平均線)、等があります。



・単純移動平均線

単純移動平均線は任意の期間における各終値の平均値を求めます。
計算式は日数を n、終値をc とすると



平均線を求める数値は終値の他に高値や安値等も利用されます。

移動平均線でのトレードには日数の異なる複数の平均線を用いるのが一般的です。

上の図では2本の平均線を使用しています。赤が短期移動平均線、青が長期移動平均線です。この2本の線の交差を売買のシグナルにしてトレードするのです。

短期線が長期線を下から上に抜ける部分をゴールデンクロスといい、買いのシグナルとします。短期線が長期線を上から下に抜ける部分をデッドクロスといい、売りのシグナルとします。


・移動平均線の変化量について

当日の平均値をSMA、前日の平均値をSMAyとして差を取ると

と書き表せます。この時、nは日数であり定数ですから、移動平均線の値を実質的に変化させているのは「C1 - "Cn+1"」の部分、つまり「(当日の終値) - (n+1日前の終値)」です。

(当日の終値) > (n+1日前の終値)  であれば平均線は上昇。
(当日の終値) < (n+1日前の終値) であれば平均線は下降。
(当日の終値) = (n+1日前の終値) であれば平均線は前日と同じです。

この点に着目した指標がモメンタムです。モメンタムは異なる日時における価格差から相場の方向性・強弱を判断する指標です。当日の平均値の変化量は n+1日モメンタムの値と一致します。

SMAにおいては「当日の終値」と 「n+1日前の終値」の時間的価値は同じです。しかし、過去の値よりも現在の価格の方が価値や影響力が大きいのだから、現在の価格により反映されるべきだという考えがあります。その考えに基づいて作成されたのがWMAやEMAです。


・加重移動平均線(WMA)

加重移動平均線は現在の価格に価値があると考え、現在の価格にウェイトを掛けます。このウェイトは過去に進むに従って軽くなります。(WMAとLWMAは同じものです)

ウェイトには n(日数)を用います。直近の価格に nを掛け、1日前の価格には n-1…のように 1ずつ値を減らして加重していきます。最後にデータの個数( 1 + 2 + 3 + …… + n )で割ります。

画像のチャートには 2本の14日移動平均線を表示させています。青いラインが単純移動平均線、赤いラインが加重移動平均線です。直近の価格に重きを置いたWMAの方が価格をしっかりと追っているのが分かります。それでいてトレンドの反転の早さはSMAとほぼ変わりません。


・指数平滑移動平均線(EMA)

指数平滑移動平均線は当日の価格に最も価値があるという前提の下に計算をしています。簡単に言うと当日の価格を 2倍して計算をします。

EMAの1日目の計算ですが、前日のEMAが存在しないので単純移動平均線によって求めます。


2日目以降のEMAは下の式によって求めます。


EMAy = 前日のEMA、2日目の「前日のEMAy」には「初日のEMA1」を代入。


また、α = 1/n としたものをSMMA(Smoothed Moving Average)といいます。日本語では平滑移動平均線と呼ばれています。

画像には3本の移動平均線が引いてあります。

青 ・・・ SMA(単純移動平均線)
赤 ・・・ WMA(加重移動平均線)
黄 ・・・ EMA(指数平滑移動平均線)
緑 ・・・ SMMA(平滑移動平均線)

相場の変動、トレンドの変化に敏感に反応するのはEMAと言えます。
反応はEMAよりも若干劣るものの、価格をしっかりと追いかけているのはWMAと言えます。
SMMAの動きは最も緩やかですが、ノイズに左右されにくく最も安定しています。

4種類の移動平均線を紹介しましたが、EMAやWMAが特別優れているという訳でもありません。「適材適所」という言葉があるように、トレード戦略や目的に応じて使い分けると良いでしょう。



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